【羽村市】中里介山と「大菩薩峠」:羽村市郷土博物館で展示中!
羽村市郷土博物館では、現在の羽村市で1885年に生まれた中里介山に焦点を当てた常設展示(2025年6月28日時点)を行っています。この展示では、彼が28年にわたり執筆した大作「大菩薩峠」に関する貴重な資料を鑑賞できます。展示品には、様々な版の「大菩薩峠」刊行本をはじめ、自筆原稿、日記、遺品、自筆の書画、そして落款や雅印などが含まれており、中里介山の創作活動と人物像に深く触れることができます。展示室の説明パネルによると、中里介山は1885年羽村生まれ。生家の没落など激動の時代に、1913年代表作「大菩薩峠」を発表。その独自の世界観は読者の心を捉え、今もなお多くの人々に読み継がれ、彼の世界は人々を魅了し続けています。
中里介山の「大菩薩峠」は、1913年(大正2年)から1941年(昭和16年)にかけて新聞に連載された長編時代小説で、彼の死により未完に終わりました。全41巻にも及ぶ一大巨編であり、「世界最長を目指して執筆された時代小説」とも言われています。
この小説は大衆文学に多大な影響を与えた作品とされており、虚無的な剣客像は多くの作家に影響を与え、「剣劇」の創始にも繋がりました。中里介山自身は「大乗小説」と呼び、仏教思想に基づき人間の業相を描こうとしたと言われています。
壮大な構想を持っていたものの、作者の死去により未完で終わりました。しかし、その小説としての魅力が、時代を超えて読み継がれる理由の一つとも評されています。「大菩薩峠」は、その長さ、特異な主人公、そして未完という点を含め、日本文学史において異彩を放つ作品です。
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