【羽村市】色鮮やかな「まゆ玉かざり」で、羽村の歴史を感じる新年を。
羽村市郷土博物館では、お正月や小正月の風習を楽しめる展示を開催中です。 かつて養蚕が盛んだった羽村では、繭の豊作を願って飾られた「まゆ玉かざり」が新年の風景でした。今回の季節かざりの展示では、館内のオリエンテーションホールと旧下田家住宅にて、当時の華やかな「まゆ玉かざり」を再現しています。2026年の「博物館初め」に、ご家族や友人とぜひ遊びに来ませんか?
・展示期間: 2026年1月10日(土)〜1月18日(日)
・開館時間: 午前9時〜午後5時
※旧下田家住宅の公開は午後4時までですのでご注意ください。

かつて養蚕が盛んだった羽村では、小正月にその年の豊作を願って「まゆ玉」という団子を飾る習わしがありました。「メーダマ」とも呼ばれるこの団子は、お米の粉を蚕のまゆの形に丸めて作ります。そのうちの16個は、2匹の蚕がひとつのまゆを作った「玉繭」に見立てて、少し大きめに形づくられました。飾り付けは1月13日。石臼に立てた梅やカシ、ツゲの枝に、真っ白なまゆ玉と鮮やかなミカンを差し、仕上げに絹糸に見立てた麻の糸をふわりとかけます。傍らにはだるまやお膳も供えられ、家の中は一気に華やぎました。役目を終えたまゆ玉は、1月16日の「メーダマかき」で枝から外されます。茹でて味わうほか、「どんど焼き」の火で焼いて食べると、その一年は風邪をひかないと言い伝えられてきました。人々の願いと暮らしが溶け合った、羽村の大切な冬の風景です。

旧下田家住宅に展示された「まゆ玉かざり」
まゆ玉飾りは、羽村市郷土資料館に隣接した「旧下田家住宅」でも展示されています。古民家に飾られたまゆ玉飾りを眺めていると、当時の人々の生活ぶりが目に浮かぶようです。

旧下田家住宅
旧下田家住宅の入り口で配布されている施設案内カードによると、この家屋は弘化4年(1847)に建築された入母屋造・茅葺民家とのことで、この地方の一般農家の姿をよく現しています。また、この民家で使用されていた生活用具や養蚕用具もよく保存されています。民家は、昭和57年(1982)に現在地へ移築復原されました。

復元に際しては、創建当時の姿を再現しています。間取りは古い形式を残す典型的な「広間型」です。囲炉裏には現在も火を灯し、生きた暮らしの風景を維持しています。煤で黒く燻された天井には、積み重ねられた歳月が刻まれています。衣食住に関する生活用具に加え、農耕・漁撈・養蚕・信仰にまつわる用具1,210点が文化財に指定されており、これら一点一点の民具によって、当時の暮らしを鮮やかに再現しています。

屋根の先端(雀踊りや切妻部分)に注目すると、「水」という文字が刻まれています。これは文字の力で火を退ける「火伏せ」のまじないです。さらに、その先端の形状は「イチョウの葉」を模しています。イチョウは水分を多く含み火に強い「防火樹」として知られており、その性質にあやかることで、大切な住まいを火から守りたいという当時の人々の強い願いが込められているのです。

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旧下田家住宅はこちら↓
取材にご協力いただきありがとうございました。





