【羽村市】多摩の地に眠る1400年の歴史――清流を見下ろす東京都指定文化財「阿蘇神社」
阿蘇神社の鳥居
東京都羽村市、多摩川左岸の崖上に、約1420年の歴史を持つ古社「阿蘇神社」があります。推古天皇9年(601年)に創建され、神託により村で最適な場所に清地を築き、霊物を祀ったことに始まります。かつては「阿蘇大明神」や「長渕郷総社龍水山阿蘇宮」と呼ばれ、多摩川の氾濫を鎮める守護神として崇敬されました。明治2年に現在の名称になり、現在は健磐龍命をはじめとする阿蘇大神を祀っています。鳥居には「武蔵阿蘇神社」と記されています。

阿蘇神社の鳥居
阿蘇宮
阿蘇宮は、東側入口から至近距離に位置する社殿であり、扁額には「阿蘇宮」と記されています。かつて阿蘇神社が阿蘇宮と称されていたことから、旧社殿(拝殿)である可能性が示唆されます。

阿蘇宮
境内参道の鳥居
境内参道の鳥居をくぐり、階段を上ると、阿蘇神社の拝殿が位置する境内地へと到達します。

阿蘇神社の拝殿
案内看板によると、阿蘇神社は延宝4年(1676年)に再建された江戸時代初期の神社建築です。昭和61年の解体修理で墨書が発見され、東京都指定有形文化財に指定されました。社伝によると、承平年間(931~938年)に平将門、天慶年間(931~938年)に藤原秀郷、天文5年(1536年)には三田定重が造営や改修を行いました。

阿蘇神社の拝殿

東京都指定天然記念物「阿蘇神社のシイ」
案内板によると、東京都の天然記念物「阿蘇神社のシイ」は、多摩川沿いの高さ十数メートルの崖の上に立っています。樹高18.0メートル、幹周りは6.2メートルで、多摩川の「姥ヶ淵」に向かって大きな枝を懸崖状に伸ばしています。このシイには、天慶3年(940年)、平将門を討った藤原秀郷が阿蘇神社に社殿を造営した際に手植えしたという言い伝えがあります。千年の時を超え、多摩川を見下ろす崖の上から神社の歴史を見守り続ける名木です。

境内から望む多摩川の豊かな営み
境内を囲む木々の葉越しに、息をのむような緑の景色が広がります。高台から見下ろす崖下には青々とした草むらが光を浴びて広がり、その間をぬって多摩川の清流が静かに流れます。対岸には深い緑を湛えた山並みが佇み、川沿いに広がるのどかな街並みとともに、心安らぐ穏やかな時間が流れる絶景です。

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