【羽村市】市民の視線が切り取る一瞬の美。「第20回羽村市美術・工芸展」最終章となる『写真の部』がプリモホールゆとろぎで開催

東京都

羽村市の文化芸術祭「第20回羽村市美術・工芸展」が、多くの市民で賑わいながら無事に終了しました。5月から各部門が順次開催され、最終期の「第5期 写真の部」は、令和8年6月9日(火)から14日(日)までプリモホールゆとろぎ(展示室)で開催されました。今年で20回目を迎えたこの展示会は、書道、絵画、陶芸など多岐にわたる市民芸術が集まる地域最大級のイベントです。5月12日の第1期(書道の部)を皮切りに、約1ヶ月間、西多摩の文化活動を盛り上げました。最終期の写真の部では、地元の写真愛好家による力作が展示され、西多摩の自然や日常、家族や生き物への温かい眼差しが感じられる作品群が来場者を楽しませました。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 ポスター

イベント開催概要

イベント名:第20回羽村市美術・工芸展(第5期 写真の部)
開催期間:令和8年6月9日(火)~ 6月14日(日)
開催時間:10:00 ~ 16:30
※初日は13:00から、最終日は16:00まででした
会場:プリモホールゆとろぎ 展示室
入場料:無料
主催:羽村市文化協会
後援:羽村市教育委員会
お問い合わせ:羽村市文化協会

会場となったのは、市民の文化交流の拠点として親しまれている「プリモホールゆとろぎ」の展示室です。ゆったりとしたスペースの中で、来場者は一枚一枚の作品とじっくり向き合い、初夏のひとときを彩る市民たちのレンズ越しの芸術を心ゆくまで堪能されていました。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 展示会場

三つの写真サークル(作品一覧)

1. 写友会
地元の西多摩エリアから都心の有名スポットまで、幅広いフットワークで撮影された作品が揃っていました。
出展者数: 8名(各2作品、計16作品)

2. フォト・まいまいず
地元周辺をはじめ、北海道から山梨、新潟など、旅情を誘う遠方の風景までバリエーション豊かな作品が並んでいました。
出展者数: 6名(各2作品、計12作品)

3. デジタルさくらサークル
三つのグループの中で最も規模が大きく、デジタルならではの視点や、全国の多彩な撮影地が特徴的でした。
出展者数: 12名(各2作品、計24作品)

 

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 作品一覧

「写友会」の作品

鈴木和子氏
『塩船観音例大祭』『静寂の火渡り』

青梅市の塩船観音寺を舞台に、地域の伝統と信仰の熱気を捉えた2部作です。境内の全景を収めた一枚からは厳かな祭事の広がりが、もう一枚からは立ち上る白煙と儀式の緊迫感が伝わります。
北倉宏一氏
『本番に向けて』『渇水の小河内ダム』

福生市での屋外演奏に向けた練習風景を切り取った作品からは、音色が響き渡るような臨場感が漂います。対照的に、干上がった奥多摩・小河内ダムの作品は、広大な自然の厳しさと造形美を冷徹に捉えています。
村山武雄氏
『美しい桜の景色』『遠くにそびえる東京スカイツリー』

あきる野市に咲き誇る新緑と桜の鮮やかなコントラストが美しい風景写真と、中央区の中央大橋から隅田川越しに佇む都市の象徴をシャープに捉えた都市風景写真の2点です。
清水良男氏
『ようこそニッポンへ』『“闘将”鋭さ宿る』
ラグビーワールドカップに沸く千代田区の街角を写した作品群です。広場を彩る各国の国旗が国際色豊かな熱気を伝える一方、丸の内通りに設置されたブロンズ像の力強い造形に焦点を当てた一枚は、独自の視点を感じさせます。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 写友会-1

写友会

鈴木登美夫氏
『黄金色のプロローグ』『光に包まれる夜』
東村山市の北山公園で撮影された作品は、画面いっぱいのショウブの黄色が鮮烈です。読売ランドのイルミネーションを捉えた夜景写真では、鮮やかな光の洪水が幻想的な空間を創り出しています。
前田富司氏
『桜と菜の花の共演』『車夫の息抜き』
昭和記念公園の菜の花と桜並木は、春の鮮やかな色彩を伝えています。一方、川越市では、人力車を並べて休む車夫たちのスナップが、日常の穏やかな空気感を捉えています。
高橋武次氏
『命が宿る美術館』『花筏の流れに、春が映る』
光と水の表現が光る細やかな作品です。銀座のアートアクアリウムを捉えた一枚は、暗がりに浮かび上がる艶やかな和の意匠を美しく表現しています。千代田区北の丸公園のお堀を写した作品では、水面を覆う桜の花びらと新緑の色彩の調和が見事です。
日高善一氏
『白髭橋越しに望むスカイツリー』『端午の節句 神社へのご挨拶』
白髭橋と東京スカイツリーの構図は、都市の広がりを示しています。一方、嶺白山神社では、端午の節句の飾りが境内に吊るされ、伝統と力強い朱色を伝えていました。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 写友会-2

写友会

「フォト・まいまいず」の作品

山下芳枝氏
『小江戸川越』『中央公園に咲く』
埼玉県川越市の伝統的な蔵造りの町並みを、落ち着いたトーンで奥行き豊かに捉えた作品と、瑞穂町の松原中央公園に堂々と咲き誇る立派な一本桜の佇まいを澄んだ空気感とともに収めた風景写真の2点です。
遠藤恵之氏
『古い家が並ぶ街』『桃の里』
青梅市の街角にある「昭和レトロ商品博物館」のどこか懐かしい佇まいを正面から実直に記録した作品と、群馬県みどり市の花桃街道で撮影された、淡いピンクと濃い紅色の花々が重なり合う春爛漫の情景を鮮やかに表現した作品です。
佐藤禮子氏
『石造りの街』『どこまでも続く花畑』
北海道小樽市の歴史ある重厚な石造りの建築群が並ぶ異国情緒漂う街角と、中富良野町のファーム富田で撮影された、手前に広がる色彩豊かな幾重もの花畑のラインとその奥に遠くそびえる山々を、ダイナミックな対比で描いた2部作です。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 フォトまいまいず-1

フォト・まいまいず

中野敏子氏
『塩沢宿』『ふじの山・競演』
この作品は、伝統的な街並みと自然の美しさを描いています。新潟県南魚沼市の三国街道・塩沢宿では、雁木造りの街並みと人々の日常が情緒豊かに表現されています。山梨県の本栖湖リゾートでは、手前の富士山型の芝桜と奥の本物の富士山が「競演」しています。
浜中典子氏
『レトロな横丁』『テイクオフ』
横浜市桜木町の夜の横丁を捉えた作品は、ノスタルジックな看板の灯りと静かな通りの対比が独特の雰囲気を醸し出しています。一方、瑞穂町で撮影された『テイクオフ』では、フェンス沿いに脚立を並べてカメラを構える飛行機愛好家たちと、大空へ飛び立つ機体の一瞬をユーモラスかつダイナミックに切り取っています。
八木眞介氏
『昭和の雰囲気』『早春を彩る』
懐かしさと自然の息吹を表現した作品です。新宿区のビル群の狭間に残る飲食店街を縦構図で切り取り、都会の喧騒と路地裏の「昭和の雰囲気」を伝えました。群馬県桐生市の屋敷山で撮影した作品では、斜面一面に咲くミツマタの群生が、早春の温かみのある光とともに美しく定着しました。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 フォトまいまいず-2

フォト・まいまいず

「デジタルさくらサークル」の作品

佐々木俊一氏
『天晴れ』『ビビッド』
岐阜県下呂市の一本桜は、青空を背景に淡いピンクの花びらが咲き誇ります。埼玉県小川町の風景では、新緑の山肌を背景に鮮やかな濃いピンクの花々が「ビビッド」に表現されています。
小林美恵子氏
『色の調和』『花を囲んで』
花々が織りなす華やかな空間を捉えた作品です。千葉県袖ケ浦市の公園では、赤や白、黄色のチューリップが流れるような曲線を描き、色の調和を見せています。立川市の昭和記念公園では、花壇の前に集まり、カメラを構える人々の楽しげな姿が印象的です。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 デジタルさくらサークル-1

デジタルさくらサークル

古賀幹子氏
『初夏の息吹』『光彩の花畑』
あきる野市の作品では、青空の下、丘一面に咲く赤いポピーが初夏の息吹を伝えています。羽村市の作品では、夕日を浴びて輝く広大なチューリップ畑を捉え、ドラマチックな光の階調で「光彩の花畑」を描き出しました。
北田久雄氏
『安らぎの空間』『人面魚?』
羽村市の身近な自然を、ユニークな一瞬で切り取っています。新緑の草地で佇む白いサギとカメは、生き物たちの穏やかな時間を表現しています。一方、澄んだ水面から顔を覗かせる錦鯉を真上から撮影した一枚は、水面の揺らめきとユーモラスな表情が魅力的です。
石田宏氏
『取水塔(赤外)』『日本庭園(赤外)』
赤外線写真で、幻想的で非日常的な世界観を表現しました。埼玉県所沢市の取水塔では、青い水面と、赤外線効果で真っ白な木々や雲のコントラストが際立ちます。立川市の日本庭園では、まるで雪景色のような純白の緑が水面に映り込みました。
吉野敬子氏
『風情』『平井川の桜並木』
歴史ある佇まいと郷土の春を丁寧に切り取っています。奈良県の寺院で撮影された作品は、厳かな石仏の前に咲く大輪の牡丹が静謐な美しさを放っています。あきる野市の平井川を捉えた一枚では、満開の桜並木とその下に広がる紫の花々が、のどかで贅沢な春の景色を創り出しています。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 デジタルさくらサークル-2

デジタルさくらサークル

柳川信子氏
『花の寺』『カタクリの郷』
歴史ある風景と花々を情感豊かに描いています。奈良県の寺院では、青葉の奥に三重塔と手前のアジサイが調和しています。秋田県では、林の足元を薄紫色のカタクリが埋め尽くし、旅情を誘う構図で繊細に描写されています。
松本かすみ氏
『床を彩る』『床を彩る』
群馬県桐生市で撮影された連作は、色彩とリフレクションが魅力的です。一枚は、新緑の木々が磨き上げられた床に上下反転して映り込む静謐な瞬間を捉えています。もう一枚は、色鮮やかな和傘とその映り込みをポップに切り取り、デジタルの表現力を活かしています。
増田シゲ子氏
『春を告げる』『紅色の輝き』
この作品は、自然の鮮やかな「色」の瞬間を捉えています。青梅市では、満開の梅の花の中に佇む小鳥の愛らしい姿を撮影し、春の訪れを表現しました。杉並区荻窪では、深い闇のような背景に、鮮やかな紅葉のグラデーションをドラマチックに描写しました。
中山奈都江氏
『ネモフィラの丘』『藤のカーテン』
茨城県ひたちなか市で撮影された作品は、青いネモフィラと広大な空が溶け合う絶景を描いています。山梨県笛吹市での一枚は、画面上部から降り注ぐ紫色の藤棚を捉え、幻想的なカーテンのようでした。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 デジタルさくらサークル-3

デジタルさくらサークル

原 八郎氏
『府中の森三連滝』『プリンセスドゥモナコ』
府中市で撮影された作品は、新緑に囲まれた美しい三連滝を涼やかな清流の音を感じさせる構図で収めています。羽村市のバラは、暗い背景に大輪のグラデーションが浮かび上がり、繊細な花びらの質感が巧みに表現されています。
角田 春菜氏
『屋台船から見たスカイツリー』『隅田川のリバーウォーク』
墨田区の水辺の夜景を捉えた連作です。縦構図の一枚は、屋台船から見上げる東京スカイツリーと、夕景から夜へ変わる雲の色彩を写しています。もう一方は、ライトアップされたトラス橋と水面の光が、都会の夜の美しさを伝えています。

2026年6月 羽村市美術工芸展 写真の部 デジタルさくらサークル-4

デジタルさくらサークル

※取材にご協力いただき、ありがとうございました。

「第20回羽村市美術・工芸展」の「第5期 写真の部」が開催されたプリモホールゆとろぎはこちら↓

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